性格のいい奴なんて本当はいない
中学、高校へと進学し、そして大学へ。
みなそれぞれにコミュニティーをつくり、楽しんできただろう。
自らの行動範囲が広がるごとに、そこには新たなコミュニティーを築く。
そこには、これまでに出会ったことのない価値観の人もおり、無意識のうちに何か刺激を受けているはずだ。
若いときこそ、「出会い」を大切にすべきなのだ。
・・・とはよく言ったもので、誰もがよく聞く話である。
自分よりもひと回りもふた回りも年上の人や、年下の人と話すことで、新たな発見、気付きができ、考えが一転するのかもしれない。
たまには、旅なんかに出て、己の力量を試してみるのもいいのかもしれない。
確かに、若いうちは、いろんなものを見て、いろんな所へ行き、時には挫折を知るくらいが丁度いいのかもしれない。
だが。ここで注意すべきなのは、「困ってるときに手を差しのべてくる奴ほど危険」ということなのだ。
高校生のとき、私は同じ部活の男の子に恋をした。普段はおちゃらけているのに、部活になると真剣に取り組む彼に眼を奪われていた。
落ち込んでいるときは、すぐさま声をかけてくれる彼に夢中だった。
そのとき、必要に彼のことを教えてくれる女友達がいた。
彼は髪の長い人が好き
実は寂しがり屋さん
今気になる人がいるらしい
こちらから聞いてもないのに情報を逐一伝えてくれていたのだ。
私が彼とのことで、悲しかったこと、嬉しかったことを聞いてくれたり、アドバイスもくれたりした。
彼とのことがきっかけで、とても仲良くなり、しょっちゅう一緒に遊んでいたのだ。
だが、後に他の友達から聞いたところによるとその女も彼が好きで、私よりも彼のことを知っている。といった優越感に浸っていたのだ。
また、相談にのってくれていたのは私と彼との関係に進展があったのか監視するため。
そして、私と接することでアラ探しをし、少しでもその女にとって不快なことがあれば、何倍にも話を膨らませ、陰口を言いふらしていたという。
優しさでカモフラージュした人で、この世の中は溢れているのかもしれない。
そんな中から、本当に親切な人と出会うこと、なおかつ気の合う友人となる確立は低い。
いつでも、まず、自分のことを第一に考えている人間にはそもそも、本当に性格のいい奴だなんていないのだ。